本日発売!日本・フィンランド外交関係樹立100年記念切手


 仕事で日頃からフィンランドを身近に感じていることもあり、時折だれかに手紙を送るときにはできるだけ北欧を感じさせるようなポストカードや切手を使うようにしています。たとえば、切手なら「ムーミン」の絵柄のものを選ぶとか。

 ところで、今年2019年の「日本・フィンランド外交関係樹立100年」には日本とフィンランドでおたがいの文化を知り、また理解を深めるためのさまざまなイベントが各地で行われています。4月には駐日フィンランド大使館で「Feel Finland」と題された一般開放のイベントも行われ、フィンランドカフェとしてmoiも出店させていただきました。(当日のレポートはこちら→●
 そしてそうしたなか、本日5月24日「日本・フィンランド外交関係樹立100周年記念切手」が発売となりました 。当然、さっそく郵便局で買ってきました!

 今回発売になったのは82円切手で、価格は1シート820円となっています。シート全体を一枚の絵に見立てたような図案は、森と湖を中心に、サウナやサンタクロースをはじめ、ブルーベリーやサーモンといった北欧ならではのごちそうを囲んで楽しい時間を過ごす人びとの姿などがペン画で描かれ、そこに淡い色彩が施されています。この全体的に優しい印象こそ、日本人にとってのフィンランドのパブリックイメージといえるかもしれません。

 ところで、このイラストを描いたのは日本郵便株式会社に所属する「切手デザイナー」の中丸ひとみさんという方。じつは、2015年と2018年に発売され人気となったムーミン切手で図案を描き下ろしされたのもこの中丸さんだそうです。ちょうど手元にある冊子「レターパーク」(発行:日本郵便株式会社)にこの切手にかんする中丸さんのインタビューが掲載されていたので、以下抜粋して紹介してみたいと思います。

 まず、「日本・フィンランド外交関係樹立100年」を記念したこの切手は、日本がフィンランドから影響を受けたモノやコトをコンセプトに、フィンランド大使館の要望なども採り入れつつ描かれたとのこと。そしてイメージづくりにあたっては、実際にフィンランドに行く時間がなかったため、大使館の推薦により埼玉県飯能市にある「メッツァビレッジ」をたずねて構想を練るという苦労もされたそうです。せっかくなので隅々まで目を皿のようにして見てみましたが、特に「埼玉県」を思わせるところはありませんでした。当然か。
 また、ペン画という選択にも中丸さんなりのこだわりがあったようです。ふつう「外交関係樹立の記念切手」となるとどうしてもお堅いイメージになってしまいがちですが、北欧ファンの女の子などにも雑貨感覚で気軽に楽しんでもらえるものにしたいと、あえてペンを使って一発で描き下ろすという手法をとったのだとか。たしかに、いままでの切手にはなかったテイストになっているように思います。

 ちなみに、この外交関係樹立100年の記念切手はフィンランド側でも「フィンランドが日本から影響を受けたモノやコト」をコンセプトに制作、発売されていますが、そこには寿司を食べる男の子とカラオケを楽しむ女の子の姿がマンガ風のタッチで描かれています。前回の記事では、1960年代にはフィンランド人にとっての日本の印象は「フジヤマ」や「ゲイシャ」だったのだろうと書きましたが、それから60年、いまや日本のイメージは「寿司」「カラオケ」そして「マンガ」ということのようですね。
フィンランドで発行されている「日本・フィンランド外交関係樹立100年」記念切手のデザイン

 フィンランド好きにとっては、よ〜く目をこらすと森で摘んだブルーベリーが下の方ではムスティッカピーラッカ(ブルーベリーパイ)になっていたり、サーミの民族衣裳に身を包んだひとや水辺でマッカラ(ソーセージ)を焼くひとがいたりと、いかにもフィンランド的な光景が繰り広げられているのがわかります。自分なりのストーリーを重ねて楽しむのも、また一興かもしれません。
 なお、人気の記念切手はすぐに売り切れてしまうこともあるので、気になった方は早めに郵便局や日本郵便の「切手・はがきストア」で購入されるのがよさそうです。

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