ちなみに、ユハンヌス当日のヘルシンキのお天気は晴れ時々くもり、最高気温18度との予想。やや肌寒い気がしなくもないですが、冬の長いフィンランドの人びとにとっては、なにより日照時間の長さをもって夏の到来を実感するのでしょう。ためしに調べてみると、6月22日のヘルシンキの日照時間は約19時間でした。な、長い。
そんなユハンヌスの過ごし方として欠かせないのが「バーベキュー」。というよりも、「グリル料理」と呼んだほうがなんとなくフィンランドっぽい。
ユハンヌスの食卓には、グリル料理の定番マッカラ(ソーセージ)のほか、ニシンの酢漬けにジャガイモ、魚の燻製、アイスクリームやイチゴが並びます。そして、アルコールは言うに及ばずふんだんに。
さて、そんななかフィンランドの新聞「ヘルシンギン・サノマット」にこんな見出しを発見しました。
「ユハンヌスの食卓 ヴィーガンの支出は肉食の2倍以上」
先だってフィンランドから帰ってきたスタッフからもヴィーガンレストランが増えていたという報告を聞いたばかりなのですが、まさにそんな状況を裏付けるような記事です。
読んでみると、ユハンヌスの「グリル料理」を環境や健康にも留意したヴィーガン対応の食材でアレンジしてみたところ、4人分の材料費が肉食では33.22ユーロ(4,019円)だったのに対し、ヴィーガン用は76.15ユーロ(9,214円)かかったとのこと。
環境への配慮や健康増進のためとはいえ、これだけ出費に開きがあると現実的な選択肢になりえないとの指摘。産地や飼育、栽培方法にこだわればこだわるほどお金がかかるというのは日本でも同じですね。
大手スーパーでは、ユハンヌスにかぎらず、グリル料理の需要が高まる夏の期間は加工した肉類、野菜、それにビールの売り上げが増加するようで、特にソーセージの売り上げは通常の3倍にもなるのだそうです。こうした食材を環境や健康という視点から見直すこともひとつの課題となります。
肉よりも魚を選ぶとか、魚でも輸入のサーモンではなく、フィンランド国内で獲れる淡水魚やザリガニ、漁獲量が安定しているニシンを積極的に選ぶといった工夫だけでもだいぶ局面は変わるのではないかというアドバイスが専門家によってなされています。また、フードロスという視点から、食べ切ることのできる量だけ買うという意識も必要との指摘が。日本では、こうした問題は年末年始に多く起こりそうですね。
記事は、ついついテンションが上がってしまうユハンヌスを前にひとこと釘を刺す、そんな意図が感じられました。ぼくも真夏の暴飲暴食には気をつけたいと思います(たぶん梅雨が明ける頃には忘れている)。
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moiでは、6月21日、22日の二日間フィンランドのキャンドルホルダーにあかりを灯してユハンヌスをお祝いしたいと思います。
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